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VOCALOID2 初音ミク VOCALOID2 キャラクターボーカルシリーズ01 
初音ミク 
HATSUNE MIKU


発売元:クリプトン・フューチャー・メディア 

 

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さぼり記でAZUKIさんが書かれていた「ヒット曲の栄光に立ちはだかる初音ミクという名のサイレン」と言うエントリーを見て、確かにそうかもと思ったので、ちょっと書いてみました。

ヒット曲の栄光に立ちはだかる初音ミクという名のサイレン - さぼり記
http://d.hatena.ne.jp/azuki-glg/20080125/1201220273

 


「ヒット曲の栄光に立ちはだかる初音ミクという名のサイレン」では、「初音ミク関連で幾つかのヒット曲が出ているものの、結局誰も儲けに繋げる事が出来ずにおり」、「旧来的な方法以外で、音楽でお金を儲ける方法が確立されていないんだなぁ」と書かれています。
「旧来的な方法以外で、音楽でお金を儲ける方法が確立されていないんだなぁ」と言うのは確かにその通りだと思うのですよね。でも、誰も儲けて居ないんでしょうか? ここで考えなければいけないのは、元々それぞれの立場で儲ける方法-収入源は何なのか、と言う事ではないかと思います。
まず、初音ミクを初めとするVOCALOIDシリーズを産み出したクリプトン社。クリプトンはソフトウェアメーカですから、当然、本来の儲け口はソフトの販売です。そして、初音ミクの大ヒットによって、鏡音レン・リンもDTMソフトとしては異例の大ヒットを続け、過去のVOCALOIDシリーズまで購入されている状況です。ソフトウェア会社としてのクリプトン社は充分に初音ミクのヒット曲の恩恵を受けていると言えるでしょう。
次に、発表の場であるニコニコ動画(或いはzoomeやPIAPRO)ですが、ニコニコ動画の収入源は広告と市場によるアフィリエイトです。初音ミクによって間違いなくニコニコ動画の視聴数や市場での購入数は増えているでしょう。視聴数が増えると言う事は、広告としての価値が上がると言う事ですから、スポンサー数の増加や広告費の上昇を望める筈です。実際、0時の時報に広告が入る様になったりしています。また、各種公式動画の増加もニコニコ動画が広告メディアとして有効(になるだけの視聴数がある)と判断されたからでしょう。こちらもやはり充分に初音ミクヒット曲の恩恵は受けていると思います。
次に着うたの配信会社です(みっくみくのトラブルで着うた配信が振るわずに儲けそこなったのはドワンゴ・ミュージックであって、ニコニコ動画(ニワンゴ)ではないですね)。ドワンゴ・ミュージックが失敗したのは、著作権関連で悪いイメージがつき、楽曲そのものの購買意欲低下に繋がった為です。人気で売り上げが左右される商品で、イメージを下げれば売れないのは当然で、これは初音ミクがどうとか言うよりも、単にドワンゴ・ミュージックが戦略(特に炎上後の広報活動)を失敗した、と言うだけの事でしょう。今後、別の会社が別の楽曲を配信した時には、もっと売り上げが上がる可能性は充分あると思います。
次に、楽曲の作者さんですが…。根本的な話として、お金儲ける事を目的にやってる人って殆ど居ないんじゃないかと思います。殆どの方がMP3も無料配信していますよね。MP3の無料配信が先にある状況で、その音楽でお金を儲けたいと言うのは無理だ(と言わない迄も凄く難しい)と思います。これは素人に限らず、プロであっても同じでしょう。MP3の無料配信後に有料発売されても、よっぽど気に入った歌手の物でなければ買う人は少ないと思います。MP3を持っていてもCDを別に買う、と言う人も同じ様に少ないでしょう。着うたを買う人はMP3やCDを買う人よりは多いと思いますが、これは単に、需要自体がMP3>着うた>>CDとなっている事に加えて、MP3から着うたを作る事が出来ない(出来ても買った方が簡単と考える)層が居るだけではないかと思います。
逆に言うと、お金を儲ける気もなく無料で配信していた楽曲がヒットして、着うた配信などで収入が得られる様になったのだとすれば、それは当初の公開意図から考えれば、充分な収入だと考えて良いのではないでしょうか?

とは言え、ヒットしてお金が儲かるのは当然嬉しい訳ですし、当初の意図がどうであれ、儲かる時は額が大きい方が嬉しいのは当然です。自分でも楽曲を作っている(いつ公開できるやら…)人間としては、ひょっとしたら良い収入になるかもって言う期待が持てる環境はあるに越した事はありません。いや、あって欲しいです。
これが「旧来的な方法以外で、音楽でお金を儲ける方法」にはどんな方法がるのか、と言う話ですね。方法は幾つもあるかと思いますし、個々の作者さんの目的やスタンスによっても方法論は変わってくると思いますが、ここでは「お金を儲ける事が目的じゃないけど、ヒットした時にお金が儲かるのは嬉しい」と言うスタンスで考えて見たいと思います。
ここで重要なのは、やはり動画配信サイトからの作者への還元でしょう。先にも書きましたが、動画配信サイトの収入はそのサイトの閲覧数に応じて増減するのですから、閲覧数を増やす良質なコンテンツを提供した作者に利益還元する、と言うのは極めて自然で良識的な行動ではないかと思います。実際に、Revverの様に利益還元を強く打ち出している動画配信サイトもありますし、YouTubeも昨年末から開始しました(YouTubeはアメリカとカナダのみですが)。

YouTube、ついにムービー投稿者に広告収入の分配を開始 - GIGAZINE
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20071211_youtube_partner_program/

動画配信サイトが、動画作者が居ないと成り立たない物である以上、この流れは今後加速する事でしょう。利益還元があるサイトと、ないサイトを比べたら、作者にとっては利益還元がある方が良いのは当然ですから。

また、今はMP3を簡単に有料配信を出来るサイトが少ない為、有料で配信したくても出来ないと言う作者さんも多い様に思います。インディーズ系の音楽配信サイトでは、無料で登録できて有料配信が出来るサイトもありますが、VOCALOID専用のサイトがあれば、より利用し易い様に思います。最近はプロのアーティストでも、独自に楽曲配信を行っている方も増えています。配信形態も色々で、「1曲幾ら」の一般的なものもあれば、低ビットレート版と高ビットレート版の2種類があるものや、時期によって値段を変えられるもの、曲の値段を購入者が決められるものも出ています。自分が配信するとしたら、最後の購入者が値段を決めるパターンが良いかな、と思います。個人的には、PIAPROが対応してくれると嬉しいですね。有料配信の場合は売り上げの一部をPIAPROの収入に出来る、と言う規約にすればPIAPROにとっても利益になるでしょう。MP3に限らず、着うたもこういった形態で配信できれば、今以上に着うた配信数も増えて、皆の利益になる環境が出来ると思います。何よりも、全く無関係のJASRACやレコード会社と契約して中抜きされて配信する旧来の収益構造よりも、ずっとVOCALOID(とそれを取り巻く環境)に合っていると思うのですが、どうでしょう。

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